【丸暗記 VS 理解】
さて理論においてよく言われるのが、理解が先か暗記が先かという話です。
あなたはどっちだと思いますか。もし仮にあなたが理論の趣旨を完璧に理解していたとしましょう。
で、その状態で実際に理論をベタ書きしてください、という問題が出た時にあなたは書けるでしょうか。残念ながら書けないと思います。
逆に理論の趣旨を完全に理解はしてなくても、一字一句完璧に暗記をしている状態だったらどうでしょうか。
この場合、応用は効きませんが、書くべき理論さえ合っていれば点数が取れます。なので結論から言ってしまうと、どちらかだけが大事ということはありません。
ただその取り掛かりの順番で言うと、暗記をしてから理解をした方が早いでしょう。なぜなら、どうせ暗記をする方が絶対的な時間はかかるわけです。
理解は一度理解してしまえば忘れることはありません、そして究極的には試験当日までに理解してしまえばいいんです。
なので勉強の取り掛かりは理論の暗記から進めましょう。
そして試験の直前期になってから理解していくようにシフトすると良いでしょう。もしかしたらあなたは、ここでこんな疑問を持ったかもしれません。
『理解してない理論をどうやって暗記するんですか。意味のわからない暗記は苦痛じゃないですか。』
確かに通常のやり方、例えば手で書いたり、声に出して読んで覚えたりする方法だと、意味が分からないまま暗記することはほぼ不可能ですし、めちゃくちゃ苦痛です。
でも今回僕があなたに伝える最強の暗記術では、いいか悪いかわかりませんが理論の意味が分からなくても自動的に一字一句覚えることができます。
ただ一字一句覚えたことに慢心せず、直前期には必ず、予備校の先生などに質問をしてその理論の理解を深めるようにしてください。
【理論サブノートの一字一句を丸暗記する方法】
それでは、具体的にどうやってその替え歌による暗記を行うのか、というテクニックの話をしていきたいと思います。まずスマホなどで、カラオケアプリがあると思います。僕が使っていたのはジョイサウンドのアプリです。
このアプリは月額数百円を支払えば、ほとんどの曲をカラオケで歌うことができます。
iPhone の Apple Store や Android の Google Play で JOYSOUND のカラオケアプリを検索してください。次にそのアプリをインストールしてください。そうすれば準備は完了です。
そしてもう一つ用意したいのがボイスレコーダーです。これはスマホアプリのボイスレコーダーではなくて、実際に会議やセミナーで使用するような、ハードウェア型のボイスレコーダーを購入してください。
よくテレビで新聞記者たちがインタビューする時に使っているものです。
僕が使っていたのは、オリンパス社の VN702 PC でした。何も新品で買う必要はなくて、メルカリとかで中古で安く買えるもので十分だと思います。
そして暗記したい理論と替え歌のもとになる曲を選びます。どんな曲がいいのかはあなたが決めてください。もしかしたらあなたはいきなり曲を決めろと言われても決められない、と思うかもしれません。
そしたら自分が好きなアーティストとか聞いたことのあるヒット曲でいいです。
ただお勧めとしては、バラードよりもアップテンポの曲がいいと思います。僕の経験上、その方が暗記しやすいです。そしてカラオケアプリで曲を選んだら『歌う』というボタンを押します。
するとカラオケが始まります。それと同時にボイスレコーダーの録音ボタンをポチッと押しましょう。
曲を歌うときは、その理論の大きなタイトルと小さなタイトルを最初に入れて歌います。そうすることでどこの章の理論なのかが分かります。
ちなみにこの手順で作成した録音ファイルは、基本的にはあなたしか聞くことがありません。
あなたの歌が下手とか音痴だとかそんなことは一切気にする必要はありませんので安心してください。
それからアーティストの選び方ですが、これはランダムでいいと思います。
僕は理論ごとにアーティストを分けるということを一度やってみましたが、そうすると曲に制限が出てきて曲を選ぶことに時間がかかってしまいました。その時間は無駄です。
さて、こんな風に替え歌で条文をひとつずつ録音して行きます。そうすると全部で数百個の音声ファイルができると思います。
そしたらボイスレコーダーに入っている、録音したファイルをパソコンに入れましょう。
ボイスレコーダー本体とパソコンを USB で接続する場合もあるし、ボイスレコーダーから録音ファイルが入っている SD カードを抜き出して、パソコンに入れる場合もあります。
パソコンに取り込んだ時点では、録音ファイルはおそらく録音日時の数字が入った状態になっていると思います。
そのままだとその音楽ファイルがどの条文のファイルかわからないので、理論の大タイトルとタイトル、それから曲名をファイルの名前として入力しましょう。
先ほどの参考音源のファイル名をチェックしてみてください。
そうしたら、その音声ファイルをスマホに入れて再生できるようにします。
そして常にこの音声ファイルを聞くことです。聞くときは、1.5倍速くらいで聞くとよいです。
次にこの音声ファイルを聞くにあたってのポイントもあります。それは Bluetooth の片耳形のイヤホンを購入することです。有線型のイヤホンだと、普段の生活をするのに有線が邪魔になります。
しかし Bluetooth 型の片耳型のイヤホンだと、いつでもどこでも耳につけておくことができるし、無線なので日常生活を行うのに全く支障がありません。
そして何をするときでも、常にこの Bluetoothイヤホンを耳につけて、四六時中替え歌にした理論を聞くことです。
ちなみに Bluetooth の片耳型イヤホンは、スマホ本体の Bluetooth をオンにしてペアリングをすることで使用することができます。
四六時中聞いていると充電がすぐになくなると思うので、毎日寝る前に必ず充電するようにしてください。この音源を聞きながら毎日眠りにつきます。
だいたい1ヶ月ぐらいもすれば、勝手に理論を口ずさむようになります。つまり歌として理論が勝手に頭に残るんです。
これは、好きなアニメやドラマの主題歌を毎週聞いていると、自然に口ずさめるようになっているのと同じことです。
次に理論の録音を行うスケジュールについて話します。まずは理論の全ての範囲を替え歌にして録音することを第一ステップとしてください。
ちょこちょこと毎日少しずつ替え歌にしていくのではなく、受験の初期の段階で全ての理論を録音するのが良いです。理論サブノートの1ページ目から順番に録音ファイルにしていきましょう。
予備校の理論の勉強のペースなんかは無視してください。なぜ予備校の理論の勉強のペースを無視するかと言うと、理論の暗記においては、本番までに替え歌を聞く回数を多くした方が理論の暗記に有利だからです。
なので理論を替え歌にする時期は早ければ早いほど良いです。本番1ヶ月前に理論を替え歌にして聞き出しても正直間に合いません。
僕の体験から、人間の脳が替え歌にした理論を暗記するには、少なくとも2か月は集中して聞く時間が必要だと思います。
【替え歌にした理論を口ずさめるか】
ここまでで、あなたは全ての理論を替え歌にして録音ファイルにできたとします。
そして毎日それを繰り返し聞いたとします。
でもそれだけだと、まだ曲にした理論を思い出して、手で書けるようにはなりません。
その次のステップが必要です。その次に何をするかと言うと、今度はアウトプットの練習が必要になります。
理論を替え歌にして、ずっと聞くのはいわゆるインプットです。でも実際に思い出して歌おうとすると、理論の一部が出てこないことがよくあります。
これが自然に出てくるようになるためのトレーニングをこれからお話しします。
【腱鞘炎とおさらばする理論アウトプット法】
まずやってほしいことは、朝1時間ほど理論サブノートを持って散歩に出かけてください。
まだそんなに人が活動していない5時とか6時がいいです。そしてイヤホンは耳から外して、覚えた理論を理論サブノートを見ないで、散歩しながら口ずさんで歌ってみます。
そうすると必ず歌詞が出てこない部分があります。その度に理論サブノートで歌詞が出てこなかった部分を見返します。そして暗記できていなかった部分に、赤ペンなどで、✕印などの印をつけておきます。
そうやって、目でちらっとサブノートを見たら、また理論ノートを閉じて、てくてくと歩きながら理論を口ずさんで行きます。1時間ぐらい歩くと結構疲れるので1時間から90分が限度でしょう。
それを毎日一日も休まず繰り返すことです。そうすると1か月ほどで、大抵の理論は暗記することができます。ここでのポイントは、散歩で歩きながら理論をアウトプットするということです。
これを仮に机に座ったままとか、立ったまま行うと暗記の効率が悪くなります。なぜか机に座ったまま暗記しようとすると眠たくなるし、立ったまま暗記をするとそんなに頭に入ってきません。
ここまでの話でそんなに上手く行くのかと思いましたか?確かに人間には、人それぞれ暗記のタイプというのがあります。
手で書いて覚えるのが得意な人や、耳で聞いて覚えるのが得意な人。さらには目で見て覚えるのが得意な人や、体を動かして覚えるのが得意な人がいます。
僕が今回提案する方法は耳で聞いて覚えたり、体を動かして覚えるのが得意な人にとっては良い方法だと思います。
逆に目で見て覚えるのが得意な人や、手で書いて覚えるのが得意な人には向いていないかもしれません。
でも、実際にあなたにこの方法が向いているかどうかは、やってみないと分かりません。
あなたが税理士試験に1年でも早く受かるためには、どんなことでもまずはやってみることです。そして次の受験で絶対に合格しましょう。
さて、次回は具体的に、理論暗記のために今すぐできる8ステップについて紹介したいと思います。ありがとうございました。
※実際に理論の替え歌のデモンストレーションを公開しています。(財務諸表論のみ)https://www.youtube.com/watch?v=h8wWAjf2RH0&list=PL1QKEp0aXxJD8jOUJNciYtLOg3-0dftBp
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