納税の義務の裏にある権利

こんにちは。税理士もっちゃんです。

さて、今回はちょっとお堅いコラムですが、納税の義務の裏にある権利というお話です。

義務教育の過程で、私たちは憲法には「納税の義務」が定められていると習いました。

第三十条 国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。

Wikipedia 日本国憲法30条より

通常、義務と権利は表裏一体の関係にあります。

では、納税の義務も権利が裏に隠れているのでしょうか?

「いや、納税の権利なんて意味わかんないでしょ」

と、思われるかもしれません。

ただ、歴史を見ると、納税の権利がきちんと存在することが理解できます。

その歴史とは?

昔は権力者のやりたい放題だった

税金に関する法律の考え方に、「租税法律主義」という考え方があります。

なんだか難しそうですね?

ただ、意味は簡単で、要するに

「税金を取るときは、議会で定めた法律に基づかないと、税金をとっちゃだめよ」

という考え方です。

なぜこの考え方があるかというと、

昔は偉い王様が、「国にお金がないから、ちょっと増税するか」
で増税できてしまったからなんですね。

欧米での市民革命を経て、現在はそのようなことはできません。

なぜなら、租税法律主義があるからです。

法律で定めた以上の税金を取られない権利がある

納税というと、どうしても「税金を納めなきゃいけない義務」という認識があると思います。

ただ、先ほどの租税法律主義の考え方に照らすと、「法律で定めた以上の税金は払う必要がない権利」が存在することになります。

もしこの権利がなかったら、税務署が税務調査に来て、「今年は国の税収が少ないから、あと20%くらい適当に税金取っておくか」ということができてしまうかもしれません。

ただ、租税法律主義があることで、そんなことはできません。

これが納税の権利というものです。

※参考文献 「日本の納税者」三木義一 青山学院大学名誉教授

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栃木県真岡市 税理士 元山りょうブログ

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