まいど!もっちゃんです。
今日は自分のための備忘録をシェアします。
判例を研究していると、「新株プレミアム」という概念に出会いました。
第一印象
「なんじゃそりゃ?プレミアムモルツ?」
くらい意味わかりませんでした。
で、いろいろ調べてみると何となくわかった(気がしているだけか?)ので備忘録を残しておきたいと思います。
新株プレミアムとは
簡単に言うと、額面発行と時価発行の差額部分です。
つまり、どういうことかというと、
株式の額面が50円、時価が1000円だとします。
そしてある会社Aが資金が欲しいから増資をします。
でも、株主が増えすぎると配当を多く支払わなくてはならないのです。
さて困った。
新規の発行株数を少なくして、しかも資金を集められないか?
そこで登場するのが時価発行です。
本来は額面50円なのですが、時価1000円で発行します。
するとどうなるか?10億円を調達するのに、
額面50円だと2000万株発行しなければならないところ、
時価1000円だと、100万株で済んでしまいます。
ラッキー♪
そして、この額面50円と、時価1000円との差額950円のことをプレミアムと呼びます。
※2000年までは額面発行制度と時価発行制度が併存していました。2001年から額面発行制度は廃止されています。
新株プレミアムの性質とは?
新株プレミアムは株主に帰属し、資本準備金に繰り入れられます。
そして、既存株主は新株式を額面で割り当てられる権利を得ます。
新株プレミアムのデメリットとは?
時価が下がって、額面を下回ることがあります。
また、株主に配当が期待通りになされないことがあります。
なお、配当がきちんとされるということは資金調達コストがかかるので、時価発行にもブレーキがかかったのですが、バブル当時は配当の約束が反故にされ時価発行が乱発し、バブル崩壊を招きました。
時価発行の歴史は?
時価発行制度が取り入れられたのが1968年です。
また、時価発行増資は1986年~1990年のバブル崩壊まで全盛を極めました。
時価発行がバブル崩壊を招いた?
時価発行は自社の実力以上の株価をつけることができ、当時は証券会社もこれを薦めていた模様。
本来は配当義務を果たせる範囲の資金調達量であるべきだったが、それを大きく逸脱してしまっていた。
また、時価発行により調達した資金により本来は中長期の投資に使うべきところ、短期的な株式・不動産投機に使われた。
もしプレミアムが合意通りに還元されていたなら、時価発行増資で調達される資金コストが高いものになるので、おのずと発行量が適正になっていたはず。
結局、問題は新株プレミアムの還元ルールに強制力がなく、発行会社の誠意に依存するという安易な体制にされたことが平成バブルを招いた。
そしていつの間にかプレミアムの還元ルールが行われなくなり、還元ルールも廃止された。
おわりに
調べて分かったのは、時価発行はある種の禁じ手であり、もし使用するなら厳格な制限の上で使用すべきだったところ、モラルのない使用が乱発したため、余剰資金が発生しそれが投機に向かったところからバブル崩壊の一因となってしまったように感じます。
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