はいまいど!もっちゃんです。
今日のテーマは、「源泉所得税 納期の特例とは?」です。
今回の記事は、源泉所得税の納期の特例のそもそもの基礎知識を得たいあなたにお届けします。
この記事を見るだけで、源泉所得税納期の特例の基礎知識はバッチリ理解することが可能です。
それではさっそく参りましょう!
源泉所得税の納期の特例とは?
概要をざっくりお伝えすると、源泉所得税の納付を、本来は毎月行わなければならないところ、半年に一回にできる特例的な制度です。
はい、特例ということはもちろん原則があるわけですね。
まずはその原則的な取り扱いを押さえておきましょう。
原則的な源泉所得税の納付とは?
会社など、源泉徴収をして納付しなければならない人を源泉徴収義務者といいます。
え?会社って人なの?
と思われるかもしれませんが、
会社は法人格を持った人ですので、会社は人なのです。
で、この源泉徴収義務者が社員から預かった源泉所得税を、給与などを実際に支払った月の翌月の10日までに国に納付する制度です。
あなたが毎月の給料から天引きされている、アレですね。
給与明細に源泉所得税が記載されているので、確認してみてください。
なお、本来は会社員自身が納付しなければならないところ、国が会社に代わりに徴収させて、納めさせている制度です。
これによって税務署は徴収漏れを防ぐことができ、徴収コストを会社に負担させることができます。
税務署が得してますね!
ちなみに、この制度は戦時中1940年に税務署が人手不足の時に、それでも何とか戦費拡大のために税金をとれないかと考案した画期的な徴税システムだったのです。
特例が受けられる要件は?
給与などをもらう人が10人未満の会社や個人商店が対象となります。
そして、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」(以下、特例申請書と記載します)を税務署に提出しなければなりません。
で、提出してから却下の通知が来なければ、自動的に提出した月の翌月末に税務署長の承認があったものとされます。
自動承認という仕組みです。
これは、税務署長がいちいち承認していたらめんどうだから、却下がない=承認する、という税務署が楽できるシステムです。
なお、この申請書の提出先は、会社(給与の支払いを行う事務所)を管轄している税務署の税務署長です。
承認されるとどうなる?
1月から6月の源泉税をまとめて7月10日に。7月~12月の源泉税をまとめて1月20日までに収められるようになります。
そのタイミングは、さきほど紹介した、「特例申請書」を提出した月の翌月に徴収する源泉所得税から納期の特例の対象となります。
では、2月中に申請書を出した場合はどうなるでしょうか?
例)2月に申請書を出したら
2月支給の給与の源泉税 → 3月10日が納付期限(原則)
3月から6月の給与の源泉税 → 7月10日が納付期限(特例)
と、こうなりますね。
源泉所得税 納期の特例のメリットは?
毎月、会社は源泉所得税を納めなくてよくなるので、事務処理を簡素化できます。つまり、手間が省けます。
源泉所得税 納期の特例の対象となる所得とは?
源泉所得税の納期の特例は、次の支払いに関係するものだけが対象となります。
・給与、賞与、退職金等からの源泉所得税
・弁護士、税理士、司法書士などの報酬から徴収した源泉所得税
ということなので、会社が作家さんに原稿料を支払った場合や、著名人に講演料を支払った場合に発生する源泉所得税は対象となりません。
6か月の間に徴収した源泉税が0円だったら?
納期の特例を受けている場合は、0円と記載して、納付書を提出することになります。
従業員が10人以上になったら?
給与を支払う従業員が10人以上になった場合は、源泉所得税の納期の特例の要件にあてはまらなくなります。
この場合は、会社はすみやかに「源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書」を所轄の税務署に提出しなければなりません。
該当しなくなったときの効力は?
さきほどの届け出書を出すと、その提出した日の属する納期の特例の期間から、効力が失われます。
言葉でいうと理解しづらいので、例でいうとこんな感じです。
例)3月中に届出書を提出
1月から2月の源泉税 → 4月10日までに、特例の納付書で納付
3月の源泉税 → 4月10日までに、一般の納付書で納付
4月以降の源泉税 →翌月の10日までに、一般の納付書で納付
ここで、特例の納付書と一般の納付書という言葉が出てきましたが、じつは納付書の種類も少し異なります。
どこが違うかというと、支払い年月日のところが、特例は〇月〇日~〇月〇日となっていますが、一般は〇月〇日と記載する点が異なります。
特例の納付書
一般の納付書
納付期日が土日祝だったら?
納期限が土日祝だった場合、休日明けの日が納付期限となります。
例えば、今年令和3年の上半期の源泉税は、本来期限が7月10日ですが、この日は土曜日なので、月曜日の令和3年7月12日が納付期限となります。
おわりに
源泉所得税の納期の特例は、事務処理を簡素化してはくれますが、半年分の源泉税をまとめて払い、なおかつ半年分の士業への報酬の源泉税もまとめなければならないので、納付漏れを起こさないように気を付けなければなりません。
預かったはいいけど、納付し忘れた!とならないよう、注意してくださいね!
では、ばいちゃ!
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