18.役員と会社の機関

さて、ここでは役員の意味と、会社の機関の種類を見ていきましょう。

役員とは

役員とは、取締役や監査役、会計参与のことをいいます。その中で取締役の代表者のことを代表取締役と言います。

また、顧問税理士が会計参与になるなど、社外の人が役員になることもあります。

また、法人税法の世界ではみなし役員という考え方があります。みなし役員とは、

取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事及び清算人となり、会社法上の役員よりもその範囲が広いです。

会長・相談役・顧問など役員の地位や肩書がなくても、実質的に経営の意思決定に深くかかわっている人は法人税法上の役員とされます。

ただ、会社の設立上はみなし役員は関係ありませんので、気にしないでください。みなし役員が問題となるのは税務調査のときだけと思っていただければ結構です。

さて、役員が決まったら、役員ごとに就任承諾書を作成します。これは登記申請の際に必要になるものです。

会社の機関の種類

さて、役員が決まったら、それらをどう組み合わせて意思決定機関をつくっていくかということを決めなければなりません。

これらの組み合わせによって、会社の特徴が変わります

現在では比較的自由に機関設計ができるようになっていますので、自社に合った機関を選ぶことができます。

まずは1名以上の取締役と、株主総会の設置は必ず必要になります。また、取締役会は設置するが、会計参与を設置しない場合だけ、監査役が必要になります。

それ以外の場合には監査役を設置するかどうかは自由です。

監査役は、会社が不正を働かないかどうかをチェックする見張り番的なポジションですから、その会社や子会社の取締役や、従業員が兼任することはできません。

小規模で会社を始める場合には、初めから監査役や会計参与を設置するのではなく、会社の規模が大きくなってから設置してもよいでしょう。

会社の機関設置の具体例

1.取締役+株主総会

ひとり社長のシンプルな機関設計です。

2.取締役+株主総会+会計参与

外部から税理士などに会計参与についてもらい、金融機関への信頼性を向上します。

3.取締役+株主総会+監査役

監査役のチェックにより、経営の透明性を高めて株主への対応力を高めます。

4.取締役+株主総会+監査役+会計参与

2と3の強みを兼ねそろえた機関設計です。

5.取締役+株主総会+取締役会+会計参与

2に取締役会を加えることで、迅速な経営の意思決定を行います。

6.取締役+株主総会+取締役会+監査役

迅速な経営の意思決定と、監査役による株主への対応力を高めます。

7.取締役+株主総会+取締役会+監査役+会計参与

フルバージョンですので、大企業向けの布陣です。

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