さて今回は、税務調査の日取りが決まってから、当日の対応の話をしていきます。税務調査当日にはいったい何を用意すればいいのか、どのような事前シュミレーションをすればいいのか、などについて詳しく見ていきましょう。
税務調査の場所と参加者
税務調査の場所は基本的には被相続人の自宅になります。なぜなら、相続税の対象となる財産が、まだ残っている可能性がある場所だからです。
なお、参加者は基本的には相続人全員が参加します。そして、税務申告を依頼した税理士にも立ち会ってもらいます。通常、税務調査立合い料が請求されます。
事前準備
税務調査をスムーズに終わらせるためには、必要な資料をすぐに提示できるよう準備しておくことが不可欠です。
財産の把握
相続税の申告時に財産はすべて洗い出しているはずですが、その後改めて被相続人の遺品整理を行っていたときに財産が出てくる場合もあります。
そのような計上漏れの財産がないか、改めて確認しておきましょう。
生前贈与の記録
相続税の税務調査では、生前贈与の贈与税が正しく申告されていたかどうかも確認されます。
ですので、生前贈与を利用した場合、その都度どのような財産を贈与したのかの記録と資料を残しておくことが重要です。
遺産分割協議書
相続に当たって、相続人間で話し合いをした遺産分割協議書も用意しておきましょう。
その他の資料
その他には、以下のような資料も用意しておくとよいでしょう。
- 相続税申告で使用した資料の原本一式
- 被相続人の通帳一式
- 相続人の通帳一式
- 相続人所有の土地の権利証や不動産など
- 相続人の認印
税務調査当日のスケジュール
さて、税務調査当日ですが、調査官は午前10時に自宅にやってきます。訪問する調査官は質問係と記録係の2人1組でやってくることが多いです。
そして、午前中は世間話から故人と相続人のプロフィールを詳細に聞き取ります。
調査官はやみくもに質問することはありません。彼らが想定しているゴールに向かって、周到に外堀を埋めていくように質問してきます。
お昼12時になると休憩になり、調査官はいったん退席します。
そして13時になると帳簿や通帳の確認作業を行い、15時くらいになると調査における具体的な指摘事項の発表などがあります。
ただし、調査内容が多いような場合や、調査に非協力的な場合には調査が2日に伸びる可能性もあります。
そして、遅くとも17時には終了します。