さて、税務調査で必ず調査される項目が、名義預金と定期贈与です。名義預金は何となく聞いたことがあるかもしれませんが、定期贈与は聞きなれないのではないでしょうか?
今回は、これらの意味を簡単にわかりやすく解説していきます。
名義預金とは
名義預金とは、他人名義の口座で自分のお金を管理することをいいます。
よくある例が、祖父母が孫のために勝手に作った口座にお金を移していて、本人は贈与のつもりなのに贈与になっておらず、いざ相続の時に祖父母の財産として加算されてしまうような場合があります。
祖父母が通帳と印鑑の管理をしていた場合なども該当します。また、贈与とは基本的にはお金をあげる側ともらう側の意思の合意があって初めて成立しますが、祖父母が子や孫に知らぬうちに預金を移していた場合には、民法上は贈与契約に該当しません。
この場合には重加算税が課される場合があります。なお、重加算税の税率は35%~40%で加算されます。
名義預金にならないために
名義預金と指摘されないためには、まず贈与のたびに贈与契約書を交わすことが必要です。
そして、現金手渡しではなくきっちりと証拠が残る預金間の振り込みにしましょう。
そしてお金をもらう側が自分の印鑑と通帳を管理することが必要です。
定期贈与とは
定期贈与は聞きなれないかもしれません。定期贈与とは、毎年決まった時期に決まった金額を贈与していると、その初年度に一括して「定期金に関する権利」の贈与を受けたものとして、数年間の贈与の合計額に対して、贈与税が課税されるものです。
これを回避するためには、毎年単発の贈与であることを証明しなくてはなりません。
これは、毎年贈与契約書を締結することで回避することができます。
ここでのポイントは、「あらかじめ贈与の総額が決まっていたかどうか」ということです。
税務署は定期贈与と認定すれば追加の税金が取れると判断する場合があるので、注意が必要です。
毎年同時期、同額の贈与は回避しましょう。