26.税務署の情報収集能力

相続のご相談

さて、相続税を申告する際に気になるのが、やはり税務調査です。

我々会計業界にいる人間からすると、税務署に対して不必要に怖いイメージなどはもっていないのですが、やはり事業を行っていない一般の方々は税務署との接点がないので、必要以上に税務署を怖がる傾向があるなと感じます。

確かに税務署の情報収集能力は、さすがに国家権力だけあって優れています

今回は、税務署がどのような情報を収集しているのかについてみていきましょう。

すべての情報を一元管理する、某システムとは

国税局には全国12の国税局と524の税務署をネットワークでつなぎ、申告や納税の情報を一元管理するKSK(国税総合管理)システムがあります。

日本語の頭文字のアルファベットを用いて略字にするあたり、ミュージシャンのDAIGOさん的なネーミングセンスも感じます。

話が脱線しましたが、税務署はこのKSKから申告漏れや、脱税の疑いのある納税者を探し出します

税務署が把握している情報

とはいっても、本当にすべての情報を把握しているの?と思われるかもしれません。しかし、税務署はあらゆる手段と協力先を使って情報を集めています。

以下、その具体例を示していきます。

銀行預金情報

相続の税務調査ではメインの調査対象となります。

税務署は相続人の許可なく、被相続人とその家族である相続人のすべての預金情報を過去にさかのぼって照会することができます。

具体的には、被相続人と相続人の預金情報のデータを時系列で並べなおし、過去にあった家族間での資金移動を重点的に調べます。そして、不正な資金移動により相続財産への計上が漏れていた場合には、その資金を足し戻して相続税を加算します。

あとは、親が子供に内緒で管理積み立てしていた名義預金なども、追加の相続税を課すことができるので、重点的に調査してきます。

生命保険情報

生命保険会社は税務署に毎年支払調書を提出しています。

これは、今年いったい誰にいくらの保険金を支払ったのか、という明細です。

なお、2018年の1月以降は契約者変更情報も税務署に提出されることになり、名義変更等もすべて把握されるようになりました。

不動産情報

被相続人の死亡届と同時に、市町村の役場から不動産情報が税務署に送られます。

また、名義変更の際には法務局から登録免許税等の情報が税務署に流れます。

税務署は一定額以上の固定資産から、相続税が発生するかどうかを推測しています。

さらに、土地の評価等で特例を使用して申告している場合には、特例の適用要件に合致しているか、また計算方法が適切かどうかをチェックします。

その他の情報など

  • 各種税金の申告書
  • 源泉徴収票
  • 退職手当金等受給者別支払調書
  • 国外送金等調書
  • 国外財産等調書
  • 大口財産の相続人名簿
  • 高額所得者名簿
  • 競走馬、高級外車、高級マンションなどの所有者名簿
  • 新聞・雑誌等の記事の切り抜き
  • SNSやブログなど
  • タレコミ等

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