さて、今回は株主総会と取締役会の違いを確認していきましょう。
まずはそれぞれの特徴や、どんなことを行う会なのかということを見ていきます。
株主総会とは?
株主総会とは、会社のオーナー、つまり支配者である株主が会社の経営方針などを決める最高意思決定機関です。つまり、人間に例えるなら脳みそです。
株主総会の特徴としては、株主全員が参加することができます。
株主総会で決議する事項としては、例えば剰余金の配当、定款の変更、取締役の選任と解任、資本の減少や合併等があります。
なお、株主総会での決議事項は、重要度が高い順に、特殊決議、特別決議、普通決議の3つがあります。
また、株主総会には定時株主総会と、臨時株主総会の2種類があります。
定時株主総会は、会社の事業年度が終わってから3か月以内に開きます。そこでは、決算の報告と承認、そして剰余金の配当を行うかどうかなどを取り決めます。
これに対して、臨時株主総会は株主の求めに応じて開きます。例えば、死亡などで欠員が出た場合の取締役の新たな選任や、新株予約券の発行などを取り決めます。
取締役会とは?
次に、取締役会についてみていきましょう。
取締役会は、株主から経営を任された会社の意思決定機関です。株主が脳みそ、社員が手足だとしたら、取締役会はさしずめ胴体といえるでしょうか。
取締役会は3人以上の取締役と、1名以上の監査役、または会計参与で構成されます。
公開会社では取締役会の設置が必要となりますが、非公開会社は任意となります。
そして、一定の決議については、株主総会を通すことなく決めることができます。わざわざ株主総会を通さないので、迅速な経営判断を下すことができます。
具体的に取締役会で行うこととしては、株主総会の招集に関する日時や場所などの決定、代表取締役の選定と解職、事業部などの設置・変更・廃止などがあります。
監査役とは?
監査役とは、取締役が行う職務を客観的な立場でチェックして、企業の健全な成長を守るための役職です。取締役が悪いことをしないようにする、見張り番のイメージです。
会計参与とは?
会計参与とは、取締役とともに財務諸表などの計算書類の作成などを行う役職です。税理士などの会計のプロが努めます。会計参与を置くことにより、決算書の信頼性向上など、対外的な信用を高めることができます。
普通決議とは?
普通決議は、会社法の309条1項で定められています。原則的には、行使できる議決権の過半数を持っている株主が出席して、これらの株主の議決権の過半数の賛成を必要とする普通決議によって決議されることをいいます。
特別決議とは?
特別決議は、会社法の309条2項で定められています。
特別決議は、行使できる議決権の過半数を有する株主が出席し、その出席した株主の議決権の3分の2以上による多数の賛成を必要とします。
特殊決議とは?
特殊決議は、会社法309条3項で定められています。
特殊決議は、議決権を行使できる株主の半数以上で、かつこの株主の議決権の3分の2以上にあたる多数の賛成を必要とします。