19.小規模宅地の特例

相続のご相談

さて今回は、節税効果の高い小規模宅地の特例を見ていきましょう。

小規模宅地の特例とは、一定の要件を充たした場合に、土地の評価額を80%減らすことができる制度です。

これにより、大きな節税効果が期待できます。

それでは、一定の要件とはどんなものなのか?具体的に見ていきましょう。

居住用宅地の場合

減額割合と減額面積

居住用宅地の場合には、土地の評価の減額割合は80%、減額の対象となる土地の面積は330㎡までとなります。

対象となる土地のことを特定居住用宅地等と言い、被相続人が住んでいた宅地になります。宅地とは、土地のことです。

適用条件

配偶者の場合

配偶者の場合には、無条件で減額の特例を受けることができます。

同居親族の場合

相続の開始時から、相続税の申告期限までずっとその家に住み続け、所有していることが条件となります。

同居していなかった親族の場合

同居していなかった親族の場合には、要件がかなり厳しめになり、以下のすべての要件を充たす必要があります。

  1. 被相続人に配偶者がいないこと
  2. 被相続人と同居していた相続人がいないこと
  3. 相続開始前の3年以内に日本国内にある取得者や取得者の配偶者、3親等内の親族、または取得者と特別の関係がある一定の法人が所有する家屋に住んだことがないこと
  4. 相続開始時から相続税の申告期限まで、引き続きその宅地等を所有していること

事業用の土地の場合

減額割合と減額面積

事業用の土地は特定事業用宅地等といいます。これは、被相続人が事業に利用していた宅地のことです。

この場合には、減額割合は80%、減額面積は400㎡までとなります。

適用条件

適用条件は、事業を受け継ぐ親族がこの土地を取得して、相続税の申告期限まで所有し、かつ事業を継続していることが要件です。

ただし、相続開始前3年以内に事業の用に供されていた宅地等は除きます。

貸付用の土地の場合

被相続人が所有するマンションや駐車場などの宅地のことを、貸付事業用宅地等と言います。

この場合の減額割合は50%、減額面積は200㎡までとなります。

適用条件

適用条件は、親族がこの土地を取得し、相続税の申告期限まで所有していて、かつ貸付事業を継続していることです。

ただし、相続開始前3年以内に貸付事業の用に供されていた宅地等は除きます。

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