さて、故人が所有していた財産で現預金の次にオーソドックスなのが不動産です。
今回は、故人が所有していた不動産の確認方法と、財産に計上する金額の話をしていきます。
故人の所有不動産の見つけ方
さて、故人が所有していた家や土地を調べるために、情報が一括で登録されている機関というのはありません。
しかし、各市区町村の役場では固定資産税を徴収するために、所有者ごとに不動産をまとめた一覧表(名寄帳)があります。
しかし、各市区町村それぞれの分しかありませんので、故人が所有していたと考えられるエリアの役場ごとに申請が必要です。
固定資産納税通知書を探す
通常役所の資産税課から、毎年固定資産の納税通知書が送られてきます。これには、その役所管内で故人が所有していた不動産が一覧表示されています。
不動産の権利証や登記資料を見つける
重要書類のため、金庫などに大切に保管されていることが多い。
名寄帳を取得する
名寄帳とは、所有者ごとの不動産を一覧表にまとめたものです。
故人が所有する不動産があると考えられる市区町村の役所の資産税課に、相続人が必要書類を提出すれば取得できます。
建物の相続税評価額
さて、建物の財産の価値はどうやって計算すればよいのでしょうか。
一般的には、市場売却価額と思われるかもしれませんが、実は固定資産税評価額が、そのまま相続税の計算で使用する不動産の価格になります。
固定資産税評価額は、固定資産の課税明細書である、固定資産納税通知書に記載されています。
その他、役所で取得できる、固定資産評価明細書にも記載されています。
土地の相続税評価額
土地は建物と違い、固定資産税評価額をそのまま使用するわけではありません。
土地の評価は、大きく分けて以下の2つの方式があります。
路線価方式
市街地の宅地や、農地などに用いられる計算方法です。路線価とは道路のことを言い、土地に面している道路によって、宅地1㎡あたりの1000円単位の評価額が、国税庁によって決められています。
この路線価は毎年7月ごろに国税庁が公表する路線価図で確認できます。
ですので、土地の評価額=路線価×土地の面積
で土地の評価額を出すことが可能です。
ただし、土地の計上によって一定の評価減を行うことがあります。
倍率方式
主に郊外地の宅地や、農地に用いられます。路線価が定められていないような地域での評価方法です。
土地の固定資産税評価額に、一定の倍率をかけて計算しますので、路線価方式よりも計算が簡単です。
計算式は、固定資産税評価額×倍率=評価額 となります。