12.会社設立時の開業資金

さて、それでは今回は会社設立時の開業資金についてお話をしていきましょう。

開業資金の確保には様々な方法がありますが、今回はその具体例を交えて解説していきたいと思います。

自己資金の確保

まずは自己資金です。開業までにサラリーマン時代に溜めた預貯金を使用するのが一般的です。

この自己資金で開業の費用をまかなえればベストなのですが、それでも足りない場合は他の方法を検討する必要があります。

出資してもらう

自己資金で足りない場合は、身内や知人に株主になってもらい、出資してもらう方法が考えられます。

出資の場合は借り入れとは異なり、利息は発生しません。しかしその代わり、配当の有無を検討しなければなりません。

地方自治体の制度融資

いざ借り入れをしようと思っても、実績のない会社になかなか民間の銀行はお金を貸してくれません

そのため、初めは地方自治体が地元企業の振興を目的として設けている制度融資の検討をお勧めします。

これは民間金融機関に比べて手続きが簡単で、固定金利で金利が有利というメリットもあります。

この制度融資の特徴として、地方自治体と指定金融機関、そして信用保証協会が連携している点が挙げられます。

制度融資の仕組み

制度融資の仕組みとしては、まず地方自治体が民間の指定金融機関に対して、融資の資金を提供したり、保証金や金利の一部を負担します。

次に、信用保証協会が中小企業の保証人となることで、金融機関から中小企業への融資を促します。

このように、地方自治体が融資に必要な資金を一部負担し、信用保証協会が保証を与えることで、金融機関の貸し倒れのリスクを減らして、企業の資金調達を助けることができます。

真岡市の融資制度の具体例とは?

もちろん、真岡市も融資制度を設けています。具体的な事項は真岡市のホームページをご覧いただくとして、どんな種類があるのかを、ここでは確認しておきましょう。

緊急経営対策資金 限度額1000万円~2000万円 利率0.8%~1.2%

運転資金 限度額 1000万円 利率1.3%~1.7%

設備資金 限度額 2000万円 利率1.3%~1.9%

季節資金 限度額 500万円 利率1.2%

創業資金 限度額 500万円 利率1.5%

特別小口資金 限度額 300万円 利率1.3%

商工業者育成資金 限度額500万円 利率1.2%

関連倒産防止資金 限度額500万円 利率1.2%

日本政策金融公庫とは?

次に検討できるのが、政府系金融機関である日本政策金融公庫です。

これは政府の出資で成り立っている金融機関であり、国の政策に従って、民間金融機関ではカバーできない部分について、事業者の支援を行っています。

新創業融資制度と?

日本政策金融公庫が用意している制度に、新創業融資制度があります。これは新たに事業を始める人や事業を開始して間もない人が無担保、無保証人で利用できる制度となっています。

この制度の限度額は3000万円で、固定金利です。また、現金決済の据置期間も設定できて、申し込みから1か月ほどの短期間で融資がおりるもの特徴です。

新創業融資制度のメリットとは?

新創業融資制度のメリットとしては、日本政策金融公庫が用意している、いろいろな融資プランを利用するときに効果を発揮します。

例えば、「新規開業資金」「女性・若者・シニア起業家支援資金」などのプランを利用するときに、本当なら担保や保証人が必要な場合でも、これがなく融資を受けられるという感じです。

日本政策金融公庫の融資の流れ

①相談する

まずは電話や支店の窓口で相談して、申し込む融資プランを選択しましょう。

②申し込み

選択した融資プランを利用するために、担保や保証人の用意や、無担保無保証人でも借りることができる、新創業融資制度に申し込みます。

③面談

提出した資料を基に、事業計画などを提出します。場合によっては、会社や店舗への訪問もあります。

④融資

融資契約を結ぶことができれば、融資金が銀行口座に振り込まれます。

新創業融資制度とは?

新創業融資制度とは、新たに事業を始める人で、事業の開始から確定申告を2期終えていない人が要件です。つまり、開業から2年以内の人ということですね。

その他、創業時に創業資金の10分の1以上の自己資金を用意できている人などが要件になります。

そして、融資限度額は3000万円で、そのうちの半分は運転資金枠となります。

返済期間は各種制度ごとに定められている返済期間以内とされ、担保や保証人は原則的に不要となります。法人の場合は代表者が連帯保証人になることで0.1%金利が下がります。

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